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2014年12月18日 16:44

From Editor/時を経ても美しい住まい

これまでたくさんの取材を重ねてきたなかで、印象に残る住まいとはどのようなものか……。記憶をたどっていくなかでふと思い出されたうちの一つが、間宮吉彦さん設計のA邸(写真下)。掲載したのは、季刊誌としてスタートした2002年、no.6の特集「テラスのある住まい」でしたが、そのときはすでに竣工から約3年が過ぎて庭の草木も青々と生い茂っていました。その庭はタイルと石、芝生で構成され、その奥に見えるのが温かみのある木製の両開きドア。大きなブルー系の絵が掛けられたリビングから格子越しに見る庭の緑も美しく、さわやかな風を感じながらゆったりとくつろぎたくなる住まいでした。美しい住まいとは、居心地の良い空間であると共に、時間の経過を感じさせないデザインであること。これからもA邸のように、年月を経ても訪れてみたいと思う住まいを取材したいものです。

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本誌は今号で15周年。これまでに大きく変化したのは、住まいをつくる選択肢が増えたことでしょうか。創刊当時は、欧米に続いて日本でも住宅ブームに火がついたころ。人々の暮らしが豊かになり、成熟という方向に向かって徐々に価値観が多様化するなかで、ハウスメーカー以外の選択肢も必要だったのです。創刊号の特集「自由設計の家で暮らす」では、インテリア雑貨店から住宅事業に参入したばかりのF.O.B HOMESや、従来の住民主導のコーポラティブハウスから企画者主導で進める先駆けとなった都市デザインシステムなどを取材。そのなかに建築家紹介のプロデュース会社がありましたが、今はそれぞれに運営方法は異なるものの、選択肢として定着しています。
空間においての大きな変化は、LDKの在り方でしょう。日本人の暮らしの中心はリビングではなく、食事の場であるダイニング。ダイニングと一体のキッチンはオープンタイプが主流となり、家具の存在としてデザイン性が重視されるようになりました。これまでの家族に背を向けて炊事するスタイルではなく、キッチンとダイニングの間につくられたアイランド型カウンターにガスコンロやシンクを配置し、家族や親しい友人とのコミュニケーションを楽しむ場へと変化したのです。そして、リビングはそれにつながるように配された結果、LDKは大小に関係なくほぼ同じワンルーム型のプランが一般的となりました。
これからの住まいは、今まで以上に居心地の良さを求める人々の気持ちが大切になるでしょう。時間を要するかもしれませんが、住まいでさらに長い時間を過ごしたくなる、そんな上質なインテリアが増えていくことを願っています。

Elisa SUMITA, Editorial Director

2014年12月18日 16:44 | no.74 | | Comments (0) | TrackBack (0)