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2009年11月02日 10:47

家づくりは自分の生き方が表れる

 11月に入ってすっかり寒くなり、木々の紅葉は深まる一方です。私たちの住宅撮影のロケは東京を始め関東から東海、関西、中国地方と多岐にわたりますが、葉が落ち始めるこの時期になると緑のなかで撮影できるのもあと4、5軒といったところでしょうか。
 今年は厳しい経済状況下にあったものの、オープンハウスの数は例年とほぼ同じ。10月は多いときで週末に5、6軒ありました。建築家に住宅設計を依頼する場合、以前はすべてがスムーズに進行すれば1年程度で竣工までこぎつけられましたが、今では1年半近くかかるとか。その大きな理由の一つに2007年の建築基準法改正に伴い、申請書類などが増えたことによる建築家の仕事量の問題がありますが、もう一つはオーナー自身の意識の変化が挙げられます。雑誌やインターネットから発信される情報量が増え、住宅をつくるに当たっての選択肢が広がったからでしょう。それは自分の価値観がはっきりある人にとっては良いことですが、そうではない人にとっては選択肢が増えたことで迷いが出て、物事を決めるのに時間を要することになります。住まいづくりにおいて大切なのは、自分の望む生き方や暮らし方、そして与えられた条件下におけるそれらの優先順位です。面積やコストといった制限のなかで、自分にとって何が大切かを明確にしなければなりません。
 本誌も来年で10年を迎えますが、この間に私たちのライフスタイルも大きく変化し、住まいもさまざまなかたちが増えました。たとえば、キッチンやダイニング、リビングのワンルーム化、また天井の高さや開口の大きさ、造作家具、真っ白な空間、バスルームの浴室と脱衣室の間のガラスの間仕切り、などなど、10年前には珍しかったことが、瞬く間に普通のことになったのです。その情報量の増加により、同じような住宅が増えたのも事実ですが……。今年は、これまでの10年を改めて見直すうえで、6月に初めての増刊『Homes with a View 眺めの良い家に暮らす』を出版し、またこの11月末には『Homes with Renovation 暮らしに合わせたリノベーション』を出版します。どちらもこれまでに掲載した物件ですが、レイアウト、原稿を含めてすべて一新し、記事も新たに制作。『I'm home.』は今後、どこに向かって行くのか。その答えを出すには、もうしばらく時間がかかりそうです。