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2006年11月12日 20:02
Property in Japanは「因州和紙」
no.25のProperty in Japanは、鳥取の「因州和紙」を取材。和紙の持つ質感のなんと美しいことでしょう。今回は、現代(いま)の空間における和紙の可能性を考えました。no.22で掲載した京都の唐紙「唐長」(P.44)の取材でも感じたのは、どんなに素晴らしい素材でも、使われてこそ価値があるということ。そして、私たちがそれを愛し、私たちの暮らしに使われなければ、次の時代へ伝えていけないのです。Property in Japanは、そうした私たちが注目する日本の伝統技術の現場と、その美しい素材感、そして使い方を提案するページなのです。
元来、文字や絵を書き記す素材として中国から伝えられたという和紙は、先人の豊かな知恵により、さまざまな生活用品へと用途を広げてきました。
従業員50名の大因州製紙協業組合は、楮(こうぞ、クワ科の落葉低木)を使った和紙づくりでは日本一の生産量を誇るとか。「日本人が守り続けてきた和紙の文化を、世界に発信したい」との創設者の願いから、和紙を用いた壁紙づくりへと発展し、今では因州和紙を代表する事業所として地場産業の礎を築いています。
アトリエやファクトリーの取材は好きですが、8月に訪ねた大因州製紙協業組合の工場はとにかく暑くて暑くて、皆、汗だく。そんななか、壁紙を染める顔料の開発に心血を注ぐ職人・秋吉保人さんが嬉しそうに見せてくれたのは小さな標本帳。そこには、桜の葉や竹の皮、とんぼの羽など、近隣の山々で拾い集めた素材がスクラップされていました。コットンのベージュの帽子をかぶり、和紙をじっと見つめながら墨や弁柄(べんがら、赤色の顔料)を含ませた布で丁寧に色を刷り込んでいる様子から、和紙に対する愛おしさが感じられて。
地方の取材に行くといつも感じることですが、本当に、皆、心温かで優しい人たちばかり。そういう意味では、私たちはいつも出会いに恵まれているのかもしれません。

「Y邸」設計/松山建築設計室
POSTED AT 20:02 | no.25 | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)